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COMPASS PROJECT

2022.4.26(Tue.) ~

COMPASSプロジェクトのきっかけとなった、ボーエモーエンセンのJ39。私たちがヴィンテージ家具を扱う都内の倉庫を巡っている中で、片脚がなかったり、背もたれが割れてしまっているJ39に出会いました。

海外からの輸送中に破損してしまったようで、修復するにも通常よりコスト、時間、労力がかかるという状態でした。倉庫の奥深くに眠り、おそらく倉庫整理の際に処分されてしまうだろうそれらの椅子たちに、何か新しい価値を生み出すことが出来るのではないかと感じ、私たちは壊れた椅子たちを引き取ることにしました。

はじめは、破損してしまった部分を何かしらの新しい素材を使用して復元することを試みていましたが、新しい素材が加わることで、オリジナルではなくなってしまうのではないかと思いました。J39はシェーカーチェアをリデザインして生まれたという背景がありますが、それを踏まえた上で私たちなりのアプローチ、新しい材料を加えず残っているパーツを使用する、という方法でリデザインすることを目指しました。 解体することで、それぞれのパーツの特徴や仕口、納まりなどが理解できると同時に様々な可能性が拡がりました。
分解されたパーツを再構築し、一度失ってしまった機能を、もう一度与えることで新たな椅子として蘇りました。

元々の椅子の形からは大きく変わりましたが、J39のパーツを使用して組み上がった新しい椅子です。
パーツが破損し、機能を失ってしまった椅子は、J39には戻れませんでしたが、私たちが0.5デザインを加えることで、「J39.5」として、生まれ変わりました。